空気が乾燥する冬には加湿器は必須アイテムとなっています。
暖房を使用するとさらに乾燥するので、長時間加湿器をつけることも多くなりますが、一日中つけていると、電気代も気になります。
この記事では、タイプ別の加湿器の特徴やメリット・デメリット、加湿器にかかる電気代、電気代の節約方法について解説していきます。
【加湿方法別】加湿器のタイプ
加湿器には4つのタイプがあり、「気化式」「超音波式」「スチーム式」「ハイブリッド式」と呼ばれます。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを記載していきます。
「気化式」の加湿器
水を含んだフィルターに、ファンで風をあてることで気化した水蒸気を放出させるのが「気化式加湿器」です。
●気化式加湿器のメリット
・電気代が安い(ヒーターが付いていないため)
・室温が上がらない ・自動調整機能が搭載されていることが多く、加湿しすぎを防止してくれる
●気化式加湿器のデメリット
・モーターやファンの音がうるさく感じることがある
「超音波式」の加湿器
超音波で水を振動させ、霧状の水分を発生させるのが「超音波式加湿器」です。デスクに置くなどコンパクトなタイプが多いのが特徴です。
●超音波式加湿器のメリット
・本体価格が安く、電気代も安い
・室温が上がらない
・アロマオイルを入れて、香りも楽しめるタイプものもある
●超音波式加湿器のデメリット
・水の粒子が粗いので周辺が結露しやすい
・タンクやトレー、フィルターなどに雑菌やカビが繁殖しやすいのでこまめな手入れが必要
「スチーム式」の加湿器
水をヒーターで加熱し、蒸発した湯気を送り出すのが「スチーム式加湿器」です。
●スチーム式加湿器のメリット
・水を沸騰させるため、菌が繁殖しにくい
・部屋の温度も上げてくれるため、寒い季節に効率的
・広い部屋でも短時間で加湿できる
●スチーム式加湿器のデメリット
・ヒーターを加熱するため、他の加湿器と比べて電気代がかかる
・吹き出し口が熱くなるため、やけどのリスクがある
・雑菌はわきづらいが、カルキがつきやすいので手入れは必要
「ハイブリッド式」の加湿器
スチーム式と、気化式または超音波式の両方の機能をあわせ持つのが「ハイブリッド式加湿器」です。
●ハイブリッド式加湿器のメリット
・加熱気化式(ヒーター+気化式)は、温風を当てて気化させるため効率的に加湿ができる
・加熱超音波式(ヒーター+超音波式)は、ヒーターで加熱したお湯を超音波で霧状にするため、雑菌が繁殖しやすいという超音波式のデメリットをカバーできる
●ハイブリッド式加湿器のデメリット
・高機能なぶん、本体価格が高い
【タイプ別】加湿器の電気代を比較
それぞれの加湿器が、どのくらい電気代がかかるのかを比較してみましょう。
●条件を以下のように設定
・木造5~6畳の床面積を想定
・電気代単価は27円/kWhとする
※1時間あたりの電気代(円)は「消費電力(W)÷1,000×電気代単価(円/kWh)」で求める
消費電力はも加湿器により差がありますが、目安を設定し計算しています。
タイプ/時間 | 1時間 | 8時間 | 1ヶ月 |
【気化式】 最大消費電力20W | 0.54円 | 4.32円 | 129.6円 |
【超音波式】 最大消費電力30W | 0.81円 | 6.48円 | 194.4円 |
【スチーム式】 最大消費電力250W | 6.75円 | 54.0円 | 1,620円 |
【加熱気化式】 最大消費電力150W | 4.05円 | 32.4円 | 972円 |
【加熱超音波式】 最大消費電力70W | 1.89円 | 15.12円 | 453.6円 |
電気料金を抑えるという観点から考えると、ヒーターを加熱しない気化式と超音波式が安くなっています。
水を「温める」ということに大きな電力がかかるため、加熱の過程がある加湿器は電気代が高くなる傾向にあります。
加湿器の電気代を節約する方法
加湿器を使用する上で、電気代を節約する方法について代表的なものをまとめました。
①部屋の広さにあった機種を選ぶ
加湿器には、「~〇畳用」のように適正床面積が設定されていますが、使用する部屋の広さに合ったものを選びましょう。
こちらが適切でない場合、加湿の効率が悪くなり結果余計に電気代がかかってしまいます。
広い部屋で、加湿範囲の狭い加湿器を常にフル稼働させるよりも、適用床面積が部屋よりも少し広いものを選んだ方が電気代は抑えられます。
②定期的に掃除をする
汚れがたまると加湿器に負荷がかかり、加湿する能力が低下してしまいます。
結果、無駄な力がかかる分電力の消費が増え、電気代がかかるということになります。
汚れたまま使うことは雑菌を部屋に広げることにもなるため、定期的に掃除をすることは大切です。
③湿度設定、タイマー機能を上手に利用する
最近の加湿器は、湿度の設定や加湿のスピードなどを細かく設定したり、エコモードが搭載されていたりします。
適切な湿度になったら弱設定になるなど、自動で電力消費を抑えられる機能が付いている場合は活用することをおすすめします。
また、超音波式などは特に、長時間加湿器をつけっぱなしにしていると湿度が必要以上に高くなってしまうことがあります。
就寝時などにはタイマー機能を使うと、電気代を抑えられるだけでなく、過剰な加湿も抑えることができます。
まとめ
加湿器には異なる特徴を持った4つのタイプがあります。
電気代が安いのは「気化式」と「超音波式」ですが、掃除が大変などのデメリットもあります。
ご自身の使い方や部屋の広さに合った加湿器を選ぶようにしましょう。