仕事を失ってしまった時、または仕事が大幅に減少してしまった時、家賃を払えなくなってしまうことも考えられます。
そんな時の救済策として、住居確保給付金という制度があります。
この記事では、住居確保給付金の概要、支給を受けるための条件、給付額の例について記載していきます。
住居確保給付金とは?
離職や廃業、休業等に伴う収入の減少により、住居を失うおそれが生じている人に対して、原則3ヶ月(最大9ヶ月)の家賃相当額が自治体から支給されます。
給付金は賃貸住宅の賃貸人や不動産媒介事業者等のいわゆる家主へ、自治体から直接支払われることになります。
もともとは離職や廃業となった際に、住居を確保するための支援策として作られた制度ですが、コロナの流行を経て令和2年より条件の緩和が行われました。
それにより休業が対象となったり、条件であるハローワークへの登録が状況により必須ではなくなりました。
住居確保給付金支給の4つの条件
住居確保給付金の支給対象となる条件は以下のとおりです。
主たる生計維持者が「離職・廃業後2年以内」
または「給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している(本人の責めによらないもの)」で、 経済的に困窮し、住居喪失者又は住居喪失のおそれがある場合を指します。
直近の月の世帯収入合計額が、基準額と家賃の合計額を超えていない
基準額とは「市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12」のことです。
家賃には上限があります。
現在の世帯の預貯金合計額が、各市町村で定める額を超えていない
基準額の6月分で、100万円を超えない額が目安となります。
求職活動条件のいずれかを満たしている
・ハローワーク等に求職の申込をし、求職活動を行っている
・自営業者の人は、事業再生のための活動を行っている
「本人の責めによらない」とは、勤務日数や勤務時間が減少した場合や、就労の機会が大幅に減少し経済的に困窮した場合を指します。
例えば
・店舗が一部休業することとなり、週5日の勤務が週3日程度以下となった
・アルバイトを掛け持ちしていたが、そのうち1つが閉業となりシフトに入れなくなった
・旅館業を営んでいるが、病気の流行などによる自粛により、宿泊のキャンセルが相次いだ
・フリーランスで仕事を請け負っていたが、仕事が激減した
このような基準を目安として、自治体において柔軟な対応をするよう国から指示が届いています。
また、住居確保給付金は、生活保護との併給はできない点については注意が必要です。
住居確保給付金はいくらもらえるか?
住居確保給付金の支給額について、計算方法と自治体の例を記載します。
住居確保給付金の計算方法
計算方法は、以下の2通りです。
●世帯収入合計額(月額)が基準額以下の場合
支給額=家賃額(ただし、住宅扶助額が上限)
●世帯収入合計額(月額)が基準額を超える場合
支給額=基準額+家賃額-世帯収入額(ただし、住宅扶助額が上限)
※基準額とは、市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12
自治体により金額が変わってきますので、いくつか自治体の例を見てみましょう。
東京都世田谷区、大田区など特別区の給付金
●世帯人数1人・・・53,700円
●世帯人数2人・・・64,000円
●世帯人数3人・・・69,800円
大阪府大阪市の給付金
●世帯人数1人・・・40,000円
●世帯人数2人・・・48,000円
●世帯人数3人・・・52,000円
愛知県町村域の給付金
●世帯人数1人・・・36,000円
●世帯人数2人・・・43,000円
●世帯人数3人・・・46,600円
住居確保給付金の申請方法
お住まいの自治体(市区町村役場)で手続きを行います。
市や県に電話の相談窓口が設けられていることもあるので、まずは問い合わせてみることをおすすめします。
まとめ
離職や廃業、休業により住居費を支払えなくなる恐れがある場合、住居確保給付金の申請を行うことで家賃の援助を受けることができます。
支給額や手続きの詳細は自治体により異なりますので、対象となる方は各自治体窓口までお問い合わせ下さい。