結婚後、新生活を始めるには何かとお金がかかります。
その中で、新居にかかる費用に対して、自治体から補助金が出る場合があることをご存じでしょうか。
この記事では、導入する自治体が増えてきている「結婚助成金(結婚新生活支援事業費補助金)」について解説していきます。
また、それ以外にも結婚のタイミングで申請できるお金に関する制度についても合わせてご紹介します。
結婚後に自治体からもらえるお金「結婚助成金(結婚新生活支援事業費補助金)」
地方自治体が行っている結婚助成金(結婚新生活支援事業費補助金)について見ていきましょう。
結婚助成金(結婚新生活支援事業費補助金)とは
結婚新生活支援事業費補助金とは、自治体(各市町村)が新婚家庭に補助金を支給するものです。
地域少子化対策の一環として内閣府が自治体での実施を支援しています。
●対象となる費用
対象となる費用は「新居の住居費」「新居への引越し費用」です。
賃貸でも持家でも対象となります。
新生活を始める際にかかる費用を補うのが目的です。
どちらも安くはない金額がかかるので、ありがたい制度ですね。
●支給される補助金の上限
・夫婦ともに29歳以下の世帯:
1世帯あたり上限60万円
・それ以外の世帯:
1世帯あたり上限30万円
※補助上限額は実施自治体によって異なる場合があります。
受給の条件
受給の条件は、以下の3つの要件をすべて満たしている世帯であることです。
(自治体によって異なる場合もあります)
【要件】
①[婚姻日]
令和5年3月1日~令和6年3月31日
②[所得要件]
世帯所得500万円未満
③[年齢要件]
夫婦ともに婚姻日時点の年齢が39歳以下
婚姻日は毎年更新されていきます。
合わせて、所得要件の数字も変更になることがあります。
実施している自治体
内閣府によると、2022年10月時点での各自治体の導入率は約36%です。
導入できていない自治体も多いことが実情ですが、新生活を始める場所が対象となっているか確認しておきましょう。
自治体の実施状況についてはコチラをご確認ください。
申請に必要な書類
以下の必要書類を準備し、自治体に提出することで申請を行えます。
・申請書
(自治体HPからダウンロードか、役所で直接記入)
・誓約書
(自治体HPからダウンロードか、役所で直接記入)
・各種証明書
(婚姻届受理証明、住民票など)
・入居対象となる住居に関する書類
(住居の売買契約書の写し、住居の請負契約書の写しなど)
・対象費用の支払いを確認できる書類
(宛先と内容が明確な領収書)
※基本的に事前申請は不可
本籍や婚姻届を提出した自治体が現住所地なら一回で準備を済ませることができますが、異なる場合は前もって書類を取り寄せる必要があるので注意が必要です。
結婚後、会社や組合からもらえるお金「結婚祝い金」
会社の福利厚生として「結婚祝い金」を支給している会社も多くあります。
申請方法や支給額は会社によって異なります。
詳細は、人事や総務などに問い合わせましょう。
会社が共済会や組合、互助会などに加入している場合も、お祝いをもらえることがあるので合わせて確認することをオススメします。
また、東京都では、結婚祝い金として「TOKYOふたり結婚応援パスポート」という取り組みを行っています。
このような独自の結婚祝い金代わりの制度を行っている自治体もありますので、探してみるのもいいかもしれません。
結婚に伴う退職をした際にもらえるお金「失業手当」
結婚に伴い退職することになった場合には、失業手当を受け取れる場合があります。
雇用保険に加入していることと、新しい仕事を探していることなどの条件を満足す必要があります。
また、出産や育児などで就業ができない状況では受け取ることができませんので、妊娠している場合は注意が必要です。
通常自己都合の退職には3カ月の給付制限期間が設けられますが、「結婚に伴う引っ越しで通勤が困難になった」という理由での退職には、給付制限期間なしで受け取れることもあります。
(通勤に往復4時間以上かかるなどの理由が必要)
●申請先:
管轄のハローワーク
●申請方法:
雇用保険被保険者離職票など必要書類を準備し、ハローワークで直接申請する
結婚後に退職し年内に再就職しなかった場合は、勤務先で年末調整ができないため、確定申告を行いましょう。
確定申告の結果、多めに税金を支払っていた場合は、納め過ぎていた税金が戻ってきます。
結婚の際に妊娠もしていた場合にもらえるお金「出産手当金」
結婚の際に妊娠が分かっている場合には、出産手当金の申請も行える場合があります。
出産手当金は、勤務先の健康保険に加入している人が出産のために会社を休み、その間給与の支払いがなかった場合に受け取ることができます。
1日当たり「支給開始日以前の12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30×3分の2」の金額を受け取ることができます。
●申請先:
勤務先、または健康保険の窓口
●申請方法:
勤務先で申請用紙を受け取り、医師または助産師に必要事項を記入してもらい、提出する
まとめ
申請には条件を満たす必要があったり、自治体によって実施の有無があったりと制限はありますが、条件に当てはまる場合は高額な補助金を受け取れることもあります。
「知らなかった」では大変もったいない制度です。
事前に確認を行い、該当する場合は漏れなく申請するようにしましょう。