会社の業務の効率化を図りたい、コストを削減したい、メイン業務に集中したいという場合は、アウトソーシングの利用をおすすめします。
各部門のエキスパートに自社の仕事を任せるということは、大きなメリットもありますが、注意すべきデメリットもあります。
この記事では、アウトソーシングを利用するメリットとデメリット、依頼する業務の選び方やアウトソーシング業者の選び方について解説していきます。
アウトソーシングとは?
アウトソーシングとは、自社業務を外部の専門業者に委託することです。
よくアウトソーシングの対象業務として選ばれるのは、経理、税務、人事、情報技術管理などのバックオフィス業務全般や、フロント業務では、製造、カスタマーサービスなどです。
株式会社EPコンサルティングサービスの調査によると、2021年度の調査では、従業員数100人~1,000人の企業の68.3%が何らかのアウトソーシングを利用しているという結果が出ています。
アウトソーシングが活用されている理由としては、本業に集中できることによる売り上げアップや、業務効率化、コスト削減が期待できることが挙げられます。
また、若年労働人口の減少による人手不足を補う手段の一つにもなっています。
昨今では、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)という方法も多く見られるようになってきました。
BPOとは、企業の業務を一括して外部の専門業者に委託するものです。
従来のアウトソーシングよりも委託できる業務範囲が広くなるのが特徴で、例えば人事の場合、社内に人事部を設置する必要がなくなります。
BPOの普及により、従来よりさらにメイン業務に特化することが可能になりました。
アウトソーシングを利用するメリット
アウトソーシングを利用するメリットについて記載します。
コスト削減ができる
アウトソーシングする業務に関する運用コスト(人件費、インフラ設備への投資、技術更新など)を削減できることは大きなメリットです。
コスト削減できた分を、メイン業務に充てることが可能になります。
メイン業務にリソースを集中できる
会社を運用していくにあたり、メイン業務の発展は欠かせないので、そこにできる限りのリソースを投入することが理想です。
バックオフィス部門、管理部門のことに頭を回さなくてよくなる分、メイン業務に集中できるようになります。
アウトソーシングした業務の品質と処理速度が向上する
アウトソーシング業者は、それぞれの分野のエキスパートである場合が多く、その分野に特化した技術やノウハウを持っています。
そのため、自社でその業務にあたるよりも、より短期間で効率良く対応できることが強みです。
よって、依頼した業務の品質や処理速度の向上が期待できます。
アウトソーシングを利用するデメリット
アウトソーシングを利用するデメリットについて記載します。
管理状態が悪化する可能性がある
アウトソーシングによるリスクの一つとして、ガバナンスの弱体化が挙げられます。
ガバナンスとは、企業の経営において各業務がどのように進められているのかを的確に管理することです。
アウトソーシングにより、業務内容や状況が把握しにくくなり、業務管理の常態が悪化する可能性があります。
業者に任せきりにするのではなく、密なコミュニケーションを図るなどすることで、業務状況を把握しておくようにしましょう。
自社に技術やノウハウが蓄積されない
専門性の高い業者に依頼するということは、一方で、自社には技術やノウハウが蓄積されないということを意味します。
メイン業務ではない以上、大きな問題ではないこともありますが、依頼先が途中でサービスを撤退するなどの可能性もありますので、リスクに備えておくことは必要だと言えます。
どのように業務が進められているのか、自社内でも把握しておくことをおすすめします。
情報漏洩のリスクがある
他社に業務を依頼するということは、業務上自社の機密や個人情報を共有することが必要になります。
アウトソーシング業者ではもちろんセキュリティ対策が施されていることがほとんどですが、情報漏洩のリスクはゼロではありません。
業者を選定するに当たっては、どのようなセキュリティ対策を行っているかも判断基準に含めるのがいいでしょう。
アウトソーシングする業務の選び方
アウトソーシングをする業務を選ぶ際には、以下の点に留意することをおすすめします。
●依頼する業務の選定方法
日々の運営に不可欠ながらも、メインではない業務を候補として挙げ、絞り込む
(例)経理、税務、人事、情報技術管理(ITサポート)、カスタマーサービスなど
アウトソーシング業者の選び方
アウトソーシングを依頼する業者を選ぶ際には、以下の点に留意することをおすすめします。
●アウトソーシング先の選び方
1)実績と信頼性・・・過去の成功事例や顧客からの評価がどのようなものであるか
2)専門性・・・度専門的な知見をどの程度持っているか
3)コミュニケーション・・・どのようにコミュニケーションを取るか、問題発生時にどのように対応するか
4)柔軟性・・・事業の成長や変化に合わせてサービスを調整できるかどうか
5)コスト・・・予算に合っているか、コストパフォーマンスの良いサービスを提供しているか
6)セキュリティ・・・セキュリティ対策はどのようにとられているか
まとめ
アウトソーシングの利用は、業務効率の向上とコスト削減の両方に役立ちます。
自社の業務の中でどの分野をアウトソーシングするのがプラスになるのか、事前にしっかりと見極めることが重要です。
アウトソーシングに対するコストパフォーマンスを測りながら、メイン業務に集中できるよう効率化を図っていきましょう。