個人事業主が備えるべき保険とは?社会保険や民間保険も徹底解説|2024年版

個人事業主必見備えるべき保険

個人事業主は会社員とは加入できる保険に違いがあります。

様々なリスクに備えることを考えると、社会保険だけでは弱く、民間の保険への加入を検討することも求められます。

この記事では、個人事業主が加入できる社会保険、加入できない保険についてさらった上で、個人事業主が加入するべき民間保険について解説していきます。

個人事業主が加入できる社会保険

まずは個人事業主が加入できる社会保険について見ていきます。

国民健康保険

国民健康保険は「職場の健康保険組合などの加入者」「後期高齢者(75歳以上)医療制度の加入者」以外の人を対象とした健康保険制度です。

個人事業主は会社員ではないので、原則として国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険は以下の2種類に分類されます。

●市区町村などが保険者となる市町村国保

●同種同業による組合員により組織される国民健康保険組合(国保組合)

国民健康保険料は、市町村国保ではそれぞれの市区町村の条例や規約などで定められ、国保組合では個々の組合により定められています。全額自己負担となります。

国民年金

国民年金は、老齢、障害、死亡によって本人や家族の暮らしが脅かされないことを目的に年金保険料を支払うことになります。

国内に住む20歳以上60歳未満の人は国民年金の加入者となり、全額自己負担となります。

「年金」というと、老齢年金をイメージする方も多いですが、障害や死亡によるリスクもカバーしていることを覚えておくようにしましょう。

介護保険

介護保険は、基本的には高齢者介護(65歳以上)に対する保険のことですが、40〜64歳の介護が必要となった人にも適用されます。

個人事業主、会社員を問わず、40歳から介護保険への加入が義務とされています。

介護保険の保険料は加入している健康保険と一緒に徴収されます。

国民健康保険加入の個人事業主は、国民健康保険料とともに徴収されることになり、全額自己負担となります。

個人事業主が加入できない保険

次に、個人事業主が加入できない保険について見ていきます。

雇用保険

雇用保険は、失業や休業に対しての保険です。 失業した際に一定期間基本手当が受け取れるほか、育児休業給付、介護休業給付などが利用できます。

保険料は給与の額に応じて計算され、規定にもとづいて会社と被保険者が分担で負担します。

個人事業主は加入することができません。

労災保険

労災保険は、業務に関連する怪我などに対しての保険です。

業務に関連する怪我、病気、障害、死亡などが起こってしまった時に、給付を受けることができます。

保険料は会社が全額負担となります。

個人事業主は加入することができません。

個人事業主が加入するべき民間保険

個人事業主は、会社員ほど保障が手厚くありませんので、自分で民間の保険に入るなどの対策をすることをおすすめします。

万が一の時に備えがない、または手薄い状態だと生活が成り立たなくなる恐れもあります。

保険料は全額自己負担となりますが、保険によっては確定申告で所得控除を行うことも可能です。

【医療保険】病気や入院、怪我に備える

労災保険、傷病手当金などの代わりに、民間の医療保険に加入することをおすすめします。

医療保険では、入院や手術が必要になった場合、大きな病気で継続的な治療が必要となった場合等に保険金を受け取ることができます

どこまでを保障の対象とするかは医療保険のプランによって様々です。保障が手厚くなると月々の保険料もアップします。

入院・手術のみを対象とするのか、通院も対象とするのか、どの程度の病気や怪我までを対象とするのか、支払う保険料と保障の内容を照らし合わせて検討するようにしましょう。

【就業不能保険】病気や怪我で「働けなくなってしまうこと」に備える

労災保険、傷病手当金、雇用保険などの代わりに、就業不能保険に加入することもおすすめです。

就業不能保険とは、病気や怪我などで自宅療養となり、従来のように働けない場合に給付を受けることのできる保険です。

受給には医師の診断が必要です。

医療保険と役割は似ていますが、違いは入院を必要としないことです。

医師が「就業が不可能」と診断すれば保険金を受け取ることが可能です。

【個人年金保険】国民年金に加えて老後に備える

国民年金だけでは老後の備えが十分とは言い切れない状態です。

そこで、個人年金保険を利用することで、年金の補填を行うことをおすすめします。

個人年金保険は私的年金ですので誰でも加入することができ、プランにより定めた年齢から、5年・10年などの一定期間、または亡くなるまで一定額の年金を受け取ることができます。

年金を受け取る前に亡くなった場合でも、払い込んだ保険料に相当する死亡給付金が遺族に支払われるというプランもあります。

確定申告の際に「個人年金保険料控除」を受けられるものもあるので、契約時に確認をするようにしましょう。

【経営セーフティ共済】倒産や損害賠償などに備える

個人事業主は経営者であることから、経営のリスクに備える保険に加入することも検討が必要です。

経営には、倒産や取引先からの損害賠償請求といったリスクがつきものです。

また、事業が大きくなると、従業員への退職金などにも備える必要がでてきます。

それらを保障する制度には以下のようなものがあります。

●経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)

●小規模企業共済

●中小企業退職金共済

●損害賠償保険、個人情報漏洩保険

加入には保険料が必要ですが、経営のリスクに備えるために必要な保険を考えてみることをおすすめします。

まとめ

個人事業主は会社員とは異なり、ある程度は自分でリスクに備える必要があります。

自己管理に対する保険として医療保険や就業不能保険、個人年金保険などがあります。

事業経営に対する保険として経営セーフティ共済などがあります。

民間の医療保険や就業不能保険などは、社会保険と同じで経費には計上できません。

ですが、生命保険料控除には使える場合もあります。

事業の売上や自身の収入と相談し、可能な範囲で利用の検討をすることをおすすめします。

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