おはようございます、夏井です。
私が十数年前に面白いなぁと思っていた話題を最近見かけたので、そのお話を。
おそらく、リーマンショック後の日経平均が1万円くらいだった頃のお話なんですが、どこかのネット証券の社長が、「株価を上げたかったら、上場企業の配当金を損金算入出来るようにすればよい」と言っていたんです。今も当時も、日本では税引き後の利益からしか配当金は払えないわけですが、これを損金算入できたら、配当金は間違いなく増えます。
増やせば株主に喜ばれる、もちろん株価も上がりますね。株価が上がれば会社としての価値も上がり、株を持っている人も企業も、そして年金機構も万々歳です。年金の運用益が上がることは、日本国民にとってもいいことです。まさにWin-Winなんです。
しかしこの問題は、法人税が減ってしまうために税収が下がるということで、財務相は「うん」と言わないでしょうね。
でもですね、細かい計算は出来ないからかなり大雑把に考えてみた話になるんですが、配当金は源泉徴収で15~20%ほど税金を取られているわけです。なので、法人税と比べれば税率が低いものの、一つの会社が内部留保でお金持っているよりも色々な人たちにお金が行く方がお金は動くわけで、結果経済も回ります。この方が、日本経済にとって良いのではないかと思うわけです。
あ、実際には法人税を払った後の配当なのでこのような制度があるわけで、税引き前に配当を払うと、源泉徴収ではなく所得や益金に合算される可能性もあります。そうなるとどうなるか分かりませんが、私的には税引き前に損金扱いで配当を出せて、その税金は今まで通り分離課税ってのが最高だと思います。
ちなみに、この話はマネックスの現在の会長、松本大さんが去年色々なところで話していて、よくよく読んでいたら、私が十数年前に見たこの話も、この松本さんが元でした。ずっとこの話をされているんですね、この方。
この制度が導入されれば、株価は3倍になるって言っていますので、今だと日経平均10万円にもなりますね。円高も少しは収まるかもしれません・・・
ちなみに、年金機構は200兆円ほど運用しているそうで、その内訳は国内債券、国内株式、外国債券、外国株式がそれぞれ50兆円程度ずつだそうです。この20年、全体で毎年平均3.5%くらいの運用益があったらしいんですが、純粋に日本の株式が3倍になるのであれば、これだけで100兆円運用益が上がりますね。
そして、日経平均に使われているような会社の配当は、今でも平均2%くらいです。これが、例えば4%になったとすると、150兆の4%で6兆円の配当金です。200兆の元手が、株だけで350兆になり、6兆の配当まで付いてくるとすれば、なかなかやるべきな話だと思いませんか?
日本の株式市場の時価総額は900兆なので、純粋にこれが3倍になったら・・・ これは日本の復活を感じますね。まあアメリカは7,000兆くらいあるらしいですが・・・
日本人の個人金融資産2,000兆円のうち、1,000兆円は現預金でして、株はたったの200兆強なんです。株価は別に2,000兆円なければ時価総額2,000兆円にならないわけではないので、現預金が株に回るだけで、この数字は達成できるはずなんだけどなぁ。
正月早々、暗い話題ばかりだったので、ちょっと明るくなりそうな話題を考えてみたら、こんな話になってしまいました。
配当大国JAPAN、皆様いいと思いません?
それでは~。