昭和と令和、どちらが幸せ?ストレスフルか?

こんばんは、夏井です。

話題になっていた『ふてほど(不適切にもほどがある!) 』というドラマが、先週終わりました。私はまさに世代がぴったりなので、なんだかんだと全話見てしまったのですが、昭和がいいのか、令和がいいのか、どちらが良いのか全く分からない方も多いと思います。

このドラマを見るまでは、昭和の方が面白かったなぁと思っていたのですが、恐らく今の私が昭和に戻ったら、だいぶつらいことになるだろうと思いました。

あの頃当たり前だったことは、今の当たり前のことではなく、それこそ数年前まで我々日本人が感じていた、中国人がその辺で痰を吐くとか、ゴミを捨てるとか、並ばないとか、声がでかい、といった、(あまり大きな声では言えませんが)民度が低いとか言っていたことが、そのまんま当てはまるわけです。これはかなりストレスです。

新幹線が出来た当時、ゴミは通路に捨てるのが普通で、それを掃除する係がいたそうです。デリカシーのない質問やどこでもタバコを吸えること、これらもかなりのストレスです。ハラスメントの塊なわけです。しかしながら、現代は違います。ハラスメントには過剰に反応し、よかれと思ったことが相手の気に障ればすべてアウト!

これでは、誰も積極的な行動は起こしにくいです。それでなくても、負けに厳しい日本という国民性が、益々ひどくなってしまっています。

ではいったい令和と昭和、どちらが幸せなんでしょう? どちらがストレスフルなんでしょう?

これに対する答えは分かりません。ただ、今の時代の方が窮屈だなぁと感じます。そして、あまり幸せではないと感じます。今の時代、知らないものはネットですぐ調べられます。そして、会ったことのない人でも友達になれます。(なった気になっているだけの可能性が高いですが)

私がタイに住んでいた頃の話ですが、私が運営していたホームページを見て、いろんな人が訪ねてきてくれました。その時驚いたことは、住んでいる私よりもタイを知っていたことです。正確に言うと、どこに何があるかまで知っているのです。すべてネット上の情報だけで。

その情報を確認しに来ていたようなものです。今で言えば、インスタの写真を見て、それと同じ写真が撮りたいと言って観光に行くのと同じです。

別に私はそれを否定しませんが、私はどちらかと言えば、行き当たりばったりで何があるか一喜一憂するために旅をするのが好きでした。未知のものを知ることが私の趣味なのです。

しかし、かなりの割合の人が、すでに調べたものや、人が経験したことを後追いしたいようです。そして、そもそも未知のものが減ってしまいました。これでは、新しいものを切り開く能力が減ります。私の持論ではありますが、ファーストペンギンの方が人生は楽しいのです。

携帯電話が出回った頃から、世界は一変しました。どこにいても連絡が取れます。その前まで、固定電話で決まったところにいる同士しか話せなかったり、手紙を書いて連絡を取っていたわけです。今の時代と同じ事をしようとしても、かかる時間が大幅に変わります。

これは大きな問題で、それまで情報がないことによって自分の置かれている立場が分からなかった人たちが、自分の置かれている状況がすぐに分かるようになったのです。

人は、知らない方が幸せなことが多いです。そもそも人と幸せを比べるものではないです。しかしながら、携帯、インターネット、さらにSNSという、誰でもアクセスできる文明を手にしてしまった今、全く知らない人からの評価が、自分を本当に知っている友人、知人、家族の評価よりも高くなっているように感じます。

これは、あまり幸せな状態ではないです。もっと自分の周りにフォーカスして、そこで幸せを得る方がいいはずです。そして全く知らない人を相手にしていることは、ストレスにも繋がります。趣味や趣向が近い人と繋がったとしても、たまたまの意見違いを言われるだけで、人は落ち込みます。

自分がそういうことを書くことには、ほぼ痛みはありません。思っていることを書いているだけですから。でも、書かれている側はとても痛いことがあります。私は芸能人や政治家のように有名にはなりたくないのですが、まさにこれが理由です。

私のことをさほど知らない人が、まるで私の知り合いかのように、私のことをこれ見よがしに書くのを見るのは恐らく耐えられないからです。よく芸能人が書き込んでいるように、そんなに言うなら、目の前に来て実名を晒して意見してほしいものです。

「不倫してる奴の顔なんか見たくないから、そんな番組は見ない!」と書き込んでいる人が、実はその人のことも知らず、そしてその番組自体も見たことがない、という話がドラマの中でも描かれていました。

「テレビを見て文句を言う人はまだマシ、見てない人が文句を言ってそれに影響されてしまうのが今のテレビ」という言葉には、まさに!と感じたものです。

このドラマ、2024年と1986年を行ったり来たりして、価値観の違いについて語っているドラマなので、今の時代では言ってはいけない、やってはいけないことをやったあげく、「この作品は、不適切な台詞が多く含まれますが、時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み、1986年当時の表現をあえて使用して放送しました」というテロップを出すことで放送しているわけですが、番組最後のテロップが個人的には一番ウケました。

最後、2054年からタイムトンネルを使って1986年に来る研究者シーンで終わるのですが、「この作品は、不適切な台詞が多く含まれますが、時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み、2024年当時の表現をあえて使用して放送しました」つまり、未来から見たら、今の時代も不適切なんじゃない、って言いたかったわけです。

価値観は変わっていきます。30年後の常識は、一体どんな常識なんでしょうね?

それでは~。

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ドクターライフ協会 編集部

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