「アスリートの能力をビジネスの世界へ」スポーツ業界から“セカンドキャリア”という言葉をなくすべく立ち上がった株式会社A.B.Unitedが、キャリアに悩むスポーツ選手を救う

アスリートのセカンドキャリアについて考え、その支援を精力的に行っている株式会社A.B.United(以下ABU)。そのサービスは、「選手生命」という言葉と隣り合わせにいるアスリートの精神的支柱ともいえる存在となり、選手たちの新たなフィールドへの飛躍を後押ししています。

さらにABUでは、国内のスポーツチームとの業務提携を行うなど、精力的にキャリア支援のパフォーマンスを上げているといいます。今回は、ドクターライフ協会編集部が、ABUの学長である中田仁之氏に、事業に対する考え方や役割、今後の展望についてお話を伺ってきました!

アスリートのキャリア支援を行うABUとは。創業者の中田会長がこれまでの歩みを語る

会社概要

会社名称株式会社A.B.United(ABU)
代表者中田 仁之
設立2020年5月
主な事業<アスリート向け>
・ビジネス教育
・就職支援
・起業支援
<企業向け>
・アスリート人材紹介
・企業研修
・アスリートを活用したブランディング
・メディア事業
会社所在地大阪市北区西天満6-2-11
会社HPhttps://ab-u.co.jp/
会社名称株式会社A.B.United(ABU)
代表者中田 仁之
設立2020年5月
主な事業<アスリート向け>
・ビジネス教育
・就職支援
・起業支援
<企業向け>
・アスリート人材紹介
・企業研修
・アスリートを活用したブランディング
・メディア事業
会社所在地大阪市北区西天満6-2-11
会社HPhttps://ab-u.co.jp/

ーーABUの事業内容を教えてください

アスリートがスポーツを引退した後の、キャリア支援のための事業を行っています。1つはアスリート向けにビジネス教育や就職・起業の支援を行う事業、もう1つは、アスリートを採用したいと考える企業に向け、アスリートの人材紹介やアスリートを活用したブランディング方法のコンサルティングなどの事業を行っています。

ーー設立のきっかけと理念を教えてください

きっかけは、ある若者との出会いでした。高校野球で甲子園に出場し、大学にはスポーツ推薦で入学した彼が、怪我で野球をすることができなくなり、自暴自棄となってしまいました。結局そのまま大学を辞めることになり、アルバイトで生計を立てている頃に、知人に紹介されて私のところにやってきました。

彼が「僕の人生、20歳でピークでした」と悲しい目で言ったため、私は「人生のピークはもっと先にある!」と伝え、そこからビジネスのイロハを教えました。メキメキと成長した彼を、とある企業に紹介したところ即内定がもらえ、その時に彼が「僕みたいに未来に希望を持てず燻っているアスリートがたくさんいると思うので、みんなまとめて救える何かを作ってください」と私に言ったことが、創業のきっかけです。

理念は「アスリートの能力をビジネスの世界へ」。一度しかない人生に第1も第2もない、ABUはセカンドキャリアという言葉がアスリートに使われない社会を創ります。

ーーどんな人が入学できて、現在はどんな方が在籍していますか?

大学生から40歳以上の方まで入学しています。条件は「スポーツに打ち込んだ経験があること」で、競技歴や戦績は問いません。スポーツで得た能力を社会で活かしたいという思いが入学条件です。
開学して4年で、延べ11期・420名のアスリートが受講しました。プロアスリート・アマチュア・学生アスリートなど、多種多彩な競技に打ち込むアスリートが在籍しています。

ーーABUでは具体的にどのようなことが学べますか?

約30科目ある講義の中から、興味・関心がある科目を選択して受講できる仕組みです。メンタルトレーニングや栄養学、お金のこと、営業スキル、ビジネスマナー、事業計画、財務などその道の専門家が講師として参加しているため、各分野についての専門知識を学ぶことができます。

ーーどんなコースがあるんですか?

1クール3ヶ月間で受講していただきます。オンライン授業に出席して受講する形式で、欠席した場合も、アーカイブが視聴が可能です。さらに「AI」を半年でマスターできるe-ラーニングプログラムと提携しており、こちらは無料で提供しています。その他、継続受講生のみ参加可能な上級コースもあります。上級コースには「指導者育成」「起業家養成」「自己分析」「就職特化」の4つのコースがあります。

ーー講師にはどんな人がいますか?

高校ラグビー元日本代表監督や、プロ野球界で30年間審判員を務めた方、サッカー元日本代表選手のほか、経営者・士業など、多彩な顔ぶれとなっています。皆それぞれその道のスペシャリストであり、ABUが提供する講師研修を受講しクリアした方々です。

ーーABU卒業生の具体的な進路の一例を教えてください

一般企業に就職する人、自ら起業し経営者となる人、また、昼間は一般企業で働き、夕方以降は指導者として現場に立つ人などもいます。様々な進路をABUがプロデュースしています。

ABU創業者の中田学長とは。ABU設立のきっかけと人物像

続いて、ABUの創業者である中田学長についてもインタビューしました。

中田学長ご自身の学生時代のエピソードからABU創業のきっかけ、これまでの苦難など、ドクターライフ協会独自の貴重なインタビューです!

ーーどのような学生時代をお過ごしだったのでしょうか?

一浪して関西大学に入学し、体育会準硬式野球部に所属していました。野球に明け暮れる毎日を過ごしながらも、アルバイトや遊びもいろいろ経験しましたね。大学3年生でベストナインを獲得し、4年生には大学選抜に選出されました。最後の最後に、野球の神様からご褒美をいただいたと思い、そこで引退を決意しました。

ーー学生時代の経験から今に役立っている経験はありますか?

野球を通じて学んだことはたくさんあります。「凡事徹底」「陰徳を積む(影の努力)」「ピンチに対する胆力」「仲間のために動く」ことなど、今の私の8割は野球で培った経験からできています。

ーー就職先で大変だったこと、印象に残っている出来事はありますか?

大学卒業後は、大日本印刷株式会社に入社し、営業及び管理職として20年間勤めました。入社後の配属先の上司に「いくら打とうが肩が強かろうが、うちの会社では何の役にも立たないよ」と言われ、ショックを受けたのを今でもはっきり覚えています。しかし、その後「でもな、野球を通じて学んだことってあるやろ?それは全部生きるから頑張れよ」とも言っていただき、愛のムチだったことが分かりました。忙しい時期は2日連続で徹夜など大変だったこともたくさんありますが、今ではどれも良い思い出です。

最初に起業したときのことを教えてください

元々「いつかは社長になりたい」とずっと思っていました。設立のきっかけは、退社した私に前職のクライアントの役員の方が「自分で会社作るなら中田に仕事出すよ」と声をかけてくださったことです。すぐに起業した後、中小企業診断士の資格を取り、「販売促進」「売上拡大」等、攻めのコンサルティング事業を積極的に行っていました。「コーチング&コンサルティングで中小企業の軍師になる」と決めて活動していましたね。

ーーこれまで仕事や経営で最も大変だったことを教えてください

騙されたり、クライアントが倒産したりして、資金繰りがピンチになった時がありました。それよりも最も大変だったことは、2020年4月に私がコロナに罹患して重症化、人工呼吸器をつけて10日間意識不明だったことです。

ーーそれをどう乗り越えましたか?

スタッフや講師陣の協力と、周りいる多くの応援者のおかげで乗り越えることができました。当初は対面型授業で開校を予定していましたが、コロナに罹患したことから「全科目オンライン講義」に切り替えたことも奏功しました。

<編集部コメント>

インタビューから見えたABUの原点

中田学長が学生時代に打ち込んだ野球を原点として、自身の経験をもとに様々な角度からアスリートに寄り添ったサポートをしているABU。アスリートの強い精神力などの強みから引退後の不安まで、中田学長自身が元アスリートだからこそ理解し、寄り添えるのだと思います。スポーツチームとの業務提携やAI教育の導入など、精力的に活動を広げているABUに、今後も期待が高まります。

この記事の執筆者

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ドクターライフ協会 編集部

ウェブビジネスサポートやコンテンツ配信の傍ら、会員企業にインタビューを行っております。
様々な業種の企業会員との交流を活かし、組織の魅力が伝わる記事を発信していけるよう、これからも一生懸命運営してまいります!