歯の再生薬、実用化まであと少し!

おはようございます、夏井です。

突然ですが「ハメマラ」と言う言葉を知っていますか? 今回はアンチエイジングの話題でして、歯の話をするつもりで話を考えていたら、ふと思い出した言葉です。

まあ、俗な言葉なので知らなくてもいいんですが、漢字で書くと「歯目魔羅」になります。この順番で男は老化していくと、昔の方はおっしゃっていました。

まず歯がダメになって、次に目がダメになって、最後に下半身がダメになっていく、という順番なのですが、今の時代だと、その順番もだいぶ変わってきているのではないかと思います。人生60年くらいの時代の話なので、現代のテクノロジーでは、感覚が変わってきてるはずです。

眼は40過ぎると老眼が始まり、そしていつか必ず白内障になっていくものですが、昔はそれよりも歯がダメになる方が早かったということが分かります。

歯がダメになったら老化が進む、という話が変わっていったのは、口腔を清潔に保てるようになり、虫歯や歯周病の治療の技術向上や、インプラントも出てきたので、歯がなかなかダメにならなくなってきたということです。

しかしそれに加えて、今「歯生え薬」がほぼ出来つつあるようです。すでに、歯の歯髄や象牙質といった部品毎の再生医療はスタートしているのですが、歯自体を生やす薬は2030年の実用化を目指しているそうです。

仕組みとしては、歯の成長を抑えるタンパク質があるらしく、その働きを妨げることで、歯が生えてくるというものです。歯の元になる組織があるそうですが、先天的にこの組織から歯が生えない人(先天性無歯症)もいるらしく、少なくとも乳歯と永久歯の2回分を出すことが可能なのだと思います。

ん? 永久歯がなくなった後でも出るのかな?

この技術は元々、先天性無歯症用の技術なので、最初の段階では我々には有効でないのかもしれません。でもこれは、どの技術でも似たような話で、最初は特殊な病気にのみ対応して開発していたものが、応用されてもっと使いやすくなったり、その副作用の方が有効だったりしていくので、そう遠くないうちに、歯も新しく生えるようになるのかと思います。

現段階で150万円くらいの価格を設定しているようです。あと歯髄や象牙質は自分の歯を治す時にかなり有効なので、覚えておくとよいと思います。

私は難治性網膜剥離になってしまったため、ピントを合わせるはずのカメラでいうところのシャッターに相当する黄斑がきれいにくっついてくれず、黄斑変性ではないのですが、結果として黄斑変性に近い症状となっています。右眼で字を読むことが困難なのですが、これもいつか再生医療でよくなると思って楽しみに待っているところです。

ちなみに、網膜にIPS細胞に網膜細胞として分化させたものを移植するというのは、すでに行われていて、いくつかの結果を出しています。盲目だったものが、光を感じられるところまではきていて、だいぶ前の話ですが、光をドット絵のように感じることはできると聞いたことがあります。もう恐ろしいほどの楽しみであります。

でもこれで、目も歯も他の人体の部位に比べるとだいぶ寿命が短いことが分かりますね。そして、この2つが健康寿命にかなり影響することも間違いなさそうです。今回の技術は、保険としては素晴らしいことです。

私は前述の通り、すでに再生医療に期待しないといけない身体になってしまいましたが、皆様におかれましては、なるべく自前のものを大事に使っていただき、今回の話が役に立たないことをお祈りいたします。

それでは~。

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ドクターライフ協会 編集部

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