おはようございます、夏井です。
最近観たドラマや映画、YOUTUBE等で気になったことがあります。いわゆる声調についてです。
声調は、日本では多少自分が考えているものと違っていても、違和感を感じるものの、文脈などから言葉の意味はほとんど分かります。特に土地の名前はその土地特有のもので、姫路などは姫路周辺の人と、その他の地域の人では発音が違います。どちらが正しいと言えば、地元の人が正しいのでしょうが、一般的には他の地域の人の発音の方がメジャーです。
神戸近郊では「県庁」の発音も違います。私の耳には「堅調」という発音に聞こえます。そして、堅調の発音で言わないと、神戸では「県庁」と伝わりません。
私が本拠地としている、神戸東京間でもこのような違いがありますが、さらに海外の本拠地であるタイやベトナムは、中国などと同様、声調がすべてのようなもので、声調を間違えたらほぼ何を言っているか分かりません。
つまり、「箸」と「橋」と「端」は声調を間違えたら伝わらず、単語を思いつくこともほぼないです。最近は外国人慣れした人が増えてきたので、まだなんとなく予想がつくらしいですが、そうでない人には何を言っているか分からないのです。
そんな言語の音について、恐ろしく厳しい国から帰ってくると、余計に日本語の発音に対する緩さが気になります。あ、別にこれは悪いことだと言っているわけではないんです。
そんな時に観たのがまず今年の大河ドラマ「光る君へ」なんですが、このドラマ、知らない話が多いので逆に面白いです。
(ちなみに、去年の「どうする家康」は元々の歴史を知りすぎていたためあまり面白くなく、その前の「鎌倉殿の13人」は、あまり触れらていないお話なので面白かったという経緯があります。)
その中で出てきた「清少納言」のアクセントが私たちがこれまで一般的に話していた「せいしょう・なごん」ではなく、「せい・しょうなごん」だったことに驚きました。
確かに、言われてみたら後者が正しいと分かるんですが、思い込みって恐ろしいです。「なんとか大納言」を「なんとかだい・なごん」とは言いませんもんね。これはもう、国語教育の刷り込みです。
次に観たのが「沈黙の艦隊」というドラマです。もうこれは私が高校生の時に始まって、ミリタリーオタクだった私の心を鷲掴みにした名作マンガなのですが、これが30年経ち、少し設定を変えて実写化されたものです。Amazon Prime Videoでやっていますので、是非どうぞ。
それはさておき、ここで出てくる言葉にいくつか一般とは違う発音のものがありました。
まずは、船や潜水艦の「艦長」です。最初聞いた人は「なんだこの発音は」と思うはずです。なぜなら「浣腸」の発音だからです。これは、軍人が聞き間違いをしないためにしているためで、「班長」と区別しやすくするためだそうです。
この他に、船の右側や左側を表す「右舷・左舷」も、本来は「うげん・さげん」と発音するところを「みぎげん・ひだりげん」と発音して、間違いを減らそうとしています。
この他にも距離を表す数字は、「いちに」ではなく「ひとふた」等と呼んで間違えないための努力をしています。
しかしながら、いきなり聞くと何を言っているか分からなくなりますね、軍隊用語。
最後に、SNSで話題の安芸高田市の市長と市議のやりとりを結構前から観ていて気づいたのですが、「首長」の呼び方です。「しゅちょう」と学んだのですが、ここの市長は「くびちょう」と言います。一瞬、何のことか?と思うのですが、これはどちらの呼び方も正しいようです。ですが、「しゅちょう」と「しちょう」が聞き間違えやすいため、そう呼ぶ人もいるそうです。
確かにこの人は「しゅちょう」であり、「しちょう」なわけですから、「全国のくびちょうが〜」とあえて言うのが理解できました。ちなみにこちらも、もしご覧になったことがなければ、一度ご覧になってください。
京大を出てUFJ銀行に行き、アメリカ畑をこなしてから、まだ30代でやめて地元の市長になった方なのですが、実に論理的で面白いです。金融とアメリカっぽい、田舎の政治にはまったく真逆っぽい彼が、市議会と戦っている姿は、外圧でしか変われない日本の縮図を見ているようでかなりツボにはまります。
そんなわけで、同じ日本語でも、一体どれが正しい発音か、だけではなく、人に正しく伝わるための発音というのもあるんだなと、改めて認識した次第です。
普段何気なく話している言葉がうまく相手に伝わらない・・・ そんなときにこの話を思い出すと、答えが見えてくるかも知れませんね。
それでは~。