みなさんこんにちは、夏井です。
早速ですが、受験に関係のある人以外ほぼ気にもならない漫画「二月の勝者」をご存じですか? ビッグコミックスピリッツに現在も連載されている漫画で、テーマは中学受験です。あ、ビッグコミックスピリッツは、高校大学の頃は欠かさず読んでいました。まだ廃刊されてないことに喜びを覚えます。
中学受験という、なかなか漫画の題材として悩ましそうなテーマで、中学受験1年前から合格までを描く(まだ終わっていないのでおそらく)お話です。数年前にはドラマ化され、柳楽優弥が主演でなかなか面白いドラマになっていたみたいです。
私の子供が中学受験をすることになり、中学受験にまつわる本を読んでいたら、このドラマを紹介されました。早速Huluで一気見をし、そして漫画を全巻買ったわけです。
この中の有名なセリフに、「受験は父親の経済力と母親の狂気で決まる」という言葉がありました。まさにこれは言いえて妙な言葉でして、正直今の中学受験、異常なほどお金と時間と根性が必要となっています。
この漫画の中では、我々親は塾にとってのお客様なわけで、月謝から始まって、何とか講習やら合宿やらなんやらで、塾だけで年間150万くらいかかることになります。まあこれだけなら、入るはずの私立中学の年間の費用とさほど変わらないのですが、この他に結局個別塾に行ったり、家庭教師をつけたりするケースも多く、300万円くらいかかることはざらです。
経営者たる我々としては、ぜひこのお金が未来の社長の研修費だとか言って経費で落ちてくれると嬉しいんですが・・・ そうはいきません。税引き後の300万円が重くのしかかります。
私個人は、小中高大学とすべて公立だった上、塾にも行ったことがなかったので、異常に教育費の安い人間でした。ただ、現代で私が子供だったとしたらこのやり方は通じない可能性が高いです。なんといっても問題のレベルが我々の時とは違いすぎるのです。
スポーツが30年前に比べて進化しているように、勉強も進化しています。その結果、じわりじわりとレベルを上げ、気が付けばとんでもない問題を小学生が解いています。レベルでいうと、高校生が解くような問題をやっている感じです。
例えて言うと、今の中学のサッカーチームが我々の時代の大学生チームと戦ったら、中学のチームが勝つような感じです。それほど時代は進化していると感じます。ただ、人間のレベル自体が上がっているわけではなく、教育水準や環境が変わっているだけなので、私たちが当時同じような教育を受けていれば、似たような結果になると思います。
こうなるともう、子供たちの出来の差は、我々の時代の比ではなくなってしまいます。できる子は恐ろしく出来、できない子はほぼできない。そして、できなくても許してもらえる時代なのです。なんせ怒ってはいけない、強く言ってはいけない。コンプラだらけの時代には優しく寄り添ってあげることが教育らしいので、できない子はおそらくできないまま、一生を過ごす羽目になるでしょう。
子供の頃から過度なストレスやプレッシャー、そして異常なほどの情報量を詰め込まれる今の子供たちは、それが処理できなくなったとき、心が壊れてしまったり、人生に対するやる気を失ってしまうわけです。
私は幼稚園の経営をしたり、障害者支援施設をしたり、そもそも人材派遣会社をやってきたので、人がそもそもどうなるかということに興味がありました。が、今回の受験の厳しさを目の当たりにしたときに、先ほどの結論に達したわけです。
ですから、親として、子に期待するのはどうしても仕方ないことだとは思いますが、やはり人には器があり、その器をうまく見極めて、アドバイスしてあげられる親になりたいですね。
そもそも子供の器は、我々親から受け継ぐものであって、親戚のどこにもいない能力ってのはそんなに出てくるものじゃないです。子供ができなくてイライラする理由、それは自分に似ているからです。鏡を見て怒るようなもんです。
笑い飛ばしてあげましょう。
さて、最後に、当協会は、日本有数の進学校である開成中学高校のすぐ近くにありまして、今週開成高校の受験があります。中高一貫校が主流を占める最難関校で、開成高校は高校受験を受け入れています。その高校受験の最高峰の緊迫感を、当日朝早起きして見に行こうと思っています。一度しかできない一世一代の真剣勝負の雰囲気を味わってきますね。
これで私ももう少しピリッとした大人になれたらいいなあ。それでは~。