ハノイに滞在して感じたこと

こんばんは、夏井です。この数日間、出張でハノイにいました。

私は、ハノイで食品加工の会社と、某有名玩具の代理店をやっているのですが、今ベトナムの景気はあまり良くないなと肌で感じています。食品を売っていると、世間の景気はなんとなく分かりやすいものなのです。

私の会社でもオンラインやスーパーなどでの売上は順調なのですが、レストランでの販売が振るいません。理由を聞いてみると、不動産価格の低迷が一番の理由だそうです。

ベトナムという国は、中国と同じように政治はすべて共産党が独占しています。この政争に負けると、かなり悲惨な結果が待っています。何かの罪で収監されたり、その人の関連の事業は徹底的に叩かれたりします。

今回、前首相の退陣に伴い、その関連の不動産事業に嫌がらせが横行しているのが、不動産価格の低迷の一つの原因だそうです。建設中に住宅地の認可が取れなくなったりするそうです。住むことは出来ますが、売るときに住宅の扱いではないので買う人がいません。

そもそもベトナムは、住宅ローンの金利が8%位で、それを15年ローンで払ってしまいます。つまり、購入価格の倍程度を支払うことになるのですが、それでも15年後にそれ以上の価値を持つと信じて購入しているわけです。

ハノイ市内のちょっとしたマンションでも3,000万円するので、もはやその所得から考えるとおかしな気分になりますが、そもそもその所得は、日本人が思っているような給料の額面だけということはなく、彼らは副業や投資などでも稼いでいます。給料は5万円でも、実際には10万円以上になることもざらです。

これを知らない日本人は、よくその給料だけでやってるなと思う人が多いですが、実際には日本人が思っているよりも、お金を持っていることが多いです。

とはいえ、土地の価格が下がるということは借金を返せなくなる人が増え、不動産を売らなくてはいけない人も増えることになります。そして、再び土地の価格が下がる悪循環に陥ります。

不動産と金融という、ある意味不労所得であぶく銭のように儲かった人は、成金のようにお金を使うケースが多く、その人たちがこれまで払っていたおかげで成り立ってきた飲食や高級品市場がうまく立ち行かなくなります。やはり外食は、誰か支払う人がいなければ成り立たず、景気のいい人がいないと困るわけです。安いものしか売れなくなり、利益率も落ちていくので、私の会社も新商品の開発に勤しんでいます。

こういったピンチの時に力を振り絞ってやった施策が、実はその後の会社の基盤になることはよくあることですので、来年は笑えるよう前向きに取り組んでいます。

ちなみに、我々も経営陣を一新して新商品をいくつか開発し、新しい販路を見つけたところなので、心の中ではかなり期待しているところがあります。

数年後上場できたらいいなあ。いやマジで。

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ドクターライフ協会 編集部

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